7.広之進の手がかり
狐に取り付かれた宗太郎を皆が押さえつけたとき、宗太郎が暴れ、押さえていた八十吉は、宗太郎の太ももに鍵方の傷があるのを見つけます。
息子を切腹においやった仇、山本広之進の少ない手がかりは、
中肉中背
太ももに鍵方の傷
深川にいるらしい
泳ぎがうまい
の4点です。
そのうち、三つまで宗太郎と一致してしまいました。宗太郎への疑惑は募ります。ただ、広之進は、遊女に入れ込み、その遊女を身請けするために藩の金を横領、そのまま遊女と逃げてしまったわけですから、そこまでして手に入れた女と、一緒に暮らしていないのはおかしい。八十吉の疑念は確信とまでは至りません。
残りの一点、泳ぎがうまいかどうか・・・。宗太郎に惚れてるお銀の気持ちを思うと、「頼むから泳げないでくれ」と、八十吉は祈るような思いでいます。
そんなおり、長屋の大家は、お銀に惚れてる跡取り息子、初市郎を思い、人を雇い、お銀を化け物に襲わせ、そこをカッコよく息子に助けさせ、宗太郎に向いているお銀の気持ちを、初市郎に向けさせようと企てます。
夜道、堀端で、河童の化け物に襲われるお銀。そこへ助けに入る初市郎。しかし、騒動のすえ、お銀も初市郎も、河童も皆、お堀に落ちてしまいます。・・・河童につかまってひきあげられる初市郎。お堀の真ん中で苦しげにおぼれるお銀。
そこへ、母の具合が悪く、医者を呼びに走っていた宗太郎が通りがかります。堀に飛び込む宗太郎。
お銀を抱えると、
「お銀さん。も~う大丈夫だ」
と、見事な泳ぎでお銀を助けます。
堀端でお銀は「ありがとう。こわかった・・。」と宗太郎の胸に頬をよせます。
宗太郎はお銀を暖めます。
そして、医者を呼びにいくからと、先を急ぐ宗太郎。
「お母さんどうかしたの」とのお銀の問いに、静かな笑顔で頷くと、くるっと振り向き走り出す・・・。
これ、もう、笑っちゃうくらいカッコイイ役回り・・・。登場シーンにもありましたっ。優しく助けに来た後、さっと消えるって。ヒーロ系王子様爽やかキャラが戻ってきた宗太郎って感じです。
最後の振り向く時の笑顔なんて、女子のハートを持ってく気満々な演出だったりしますが、・・・まんまと持ってかれちゃってるので何も言えません・・・ハハッ、お見事。。。
さて、泳ぎがうまいという、山本広之進の4つ目の特徴まで、合致してしまいました。八十吉は宗太郎への疑いを深めます。
おりしも、八十吉やお銀が、山本広之進のことを嗅ぎ回っていることを知り、事件がまた蒸し返されることを嫌った高代藩江戸詰めの武士達が、お銀達が住む深川の見回りを強化します。
偶然、高代藩の二人の武士の姿を見かけた宗太郎。表情がさっと曇ります。「岩田様と、工藤様・・・」やばいっって、感じで身を隠す宗太郎・・・。二人の武士の名を知っている宗太郎は、やはり高代藩と深いつながりがありそうです。
一方、お銀は広之進が通っていたという女郎屋から、広之進が見受けした女がおゆうという名で両国に親の家があること、広之進の太ももには鍵方の傷などなく大柄で身分の高いお武家様のようだったという話を聞きつけます。
お銀達が聞かされていた広之進の特徴は嘘だったのか?それとも女郎が相手した男は広之進ではなかったのか?
宗太郎はお銀の仇相手の広之進その人なのでしょうか。物語は化け物騒ぎから一転して、ミステリーの要素を深めていきます。
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